「京都市立芸術大学って恥ずかしいの?」「やばい大学って本当?」──そんな検索ワードを見かけて、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。SNSや掲示板の影響で広まったマイナスイメージは、事実とは異なるケースがほとんどです。本記事では、京都市立芸術大学に対する誤解の背景をひも解きつつ、実際の入試難易度や卒業生の進路、学費のコスパ、学生生活のリアルまでを徹底解説します。読み終えるころには、この大学の「本当のすごさ」に気づいていただけるはずです。
京都市立芸術大学「恥ずかしい」って本当?まずはそのイメージの正体から
「恥ずかしい」と検索される理由を徹底解析
結論からお伝えすると、「京都市立芸術大学が恥ずかしい」と言われるのは誤解です。ではなぜそんなワードが検索されているのでしょうか?
最大の理由は、「京都市立芸術大学」と「京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)」との混同です。両者は似た名称を持っていますが、全く別の大学です。
比較項目 | 京都市立芸術大学 | 京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学) |
設立年 | 1880年(起源) | 1991年(大学設置) |
運営 | 公立大学法人 | 私立学校法人 |
偏差値 | 約55(実技含め難関) | 約40〜50 |
通信制課程 | なし | あり |
入試スタイル | 実技重視+学力重視 | 幅広い方式あり |
京都芸術大学は通信制課程や社会人編入制度も整っており、学びやすさに強みがありますが、その柔軟性が「誰でも入れる大学」という誤ったイメージを一部で作っています。この影響が、名前が似ている京都市立芸術大学にまで及んでしまっているのです。
SNS・掲示板で広がるネガティブワードの背景
インターネット、とくにSNSや匿名掲示板では、軽い気持ちの発言が誤解を拡大させるきっかけになることがあります。「○○大学は微妙」「芸大って就職できないらしい」といった無責任な投稿を、真に受けて検索する人が増えれば、検索ワードとしても「恥ずかしい」が上位に出てしまいます。
しかし、こうした印象の多くは事実に基づいていない先入観であり、実際の教育内容や卒業後の進路を調べていくと「恥ずかしい」どころか、むしろ尊敬される大学であることが見えてきます。
「やばい」と言われる京都市立芸術大学、その“ヤバさ”は難易度の高さだった
偏差値だけでは測れない入試の厳しさとは?
「京都市立芸術大学ってやばいんじゃないの?」という声には、入試の難易度を指す意味が含まれていることもあります。そしてそれは、ある意味で事実です。
京都市立芸術大学では、実技試験のレベルが非常に高く、一般的な偏差値だけでは測れない厳しさがあります。筆記試験で点が取れても、芸術的な表現力がなければ合格できません。
つまり、学力と芸術力の両方が求められるという点で、他の国公立大学よりもハードルが高いケースがあるのです。
共通テスト得点率と実技試験のリアルな数値
以下は、最新の共通テスト得点率データです。見れば一目で、求められる学力のレベルが高いことがわかります。
学部・学科 | 共通テスト得点率 |
美術科 | 69%(414/600) |
デザイン科 | 71%(497/700) |
工芸科 | 68%(408/600) |
総合芸術学科 | 68%(408/600) |
音楽学専攻 | 77%(462/600) |
作曲専攻 | 66%(396/600) |
ピアノ専攻 | 64%(256/400) |
弦楽専攻 | 64%(256/400) |
これは滋賀大学や富山大学など、中堅以上の国公立大学と同レベルの学力水準であることを意味します。しかも、これに加えて高度な実技が要求されるのですから、「やばい」と言われるのも納得です。
浪人率50%以上の事実が示す「狭き門」
さらに注目すべきは、現役合格率が50%未満であるという点です。つまり、合格者の半数以上は浪人経験者です。
これは、次のような試験内容が理由です。
- 美術系:デッサン・立体構成・色彩構成・小論文など
- 音楽系:演奏+面接、小論文など
こうしたハイレベルな選抜があるため、何年も準備してようやく合格できる大学という認識が広がっており、「やばい」は「レベルが高すぎる」という意味で使われている場合も多いです。
京都芸術大学と京都市立芸術大学は別モノ!混同から生まれる誤解
公立と私立の違いをわかりやすく比較
混同されがちな2つの大学ですが、以下のように運営・制度・偏差値すべてに違いがあります。
項目 | 京都市立芸術大学 | 京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学) |
運営主体 | 公立大学法人(京都市) | 私立学校法人(瓜生山学園) |
設立 | 1880年(起源) | 1991年 |
偏差値 | 約55(実技含む) | 約40〜50 |
通信制 | なし | あり |
入試 | 実技+学力重視 | 学力以外の選択肢あり |
この表からも明らかなように、名前が似ているだけで実態は全く違う大学です。
名前の類似が評判に与える影響
名称が似ていることで、学力や評価の違いが曖昧にされがちです。
一部のインターネット投稿や口コミでは「京都芸術大学」と「京都市立芸術大学」を混同し、誤った情報が拡散されている例も少なくありません。
誤解が生まれたまま「京都市立芸術大学って恥ずかしいよね」と思い込んでしまうのは非常にもったいないことです。実際には、難関国公立芸大として評価されるべき大学です。
卒業生がすごすぎる!「恥ずかしい」どころか誇るべき実績とは
任天堂・博報堂など大手就職実績多数
京都市立芸術大学の卒業生は、美術・音楽分野の大手企業に多数就職しています。
主な就職先の一例:
- 任天堂(デザイナー・UI/UX)
- ソニー(映像クリエイター)
- 大日本印刷(プロダクト開発)
- 博報堂(広告アートディレクション)
- NHK・TBS(音響・映像関連)
これらの企業は、芸術的センスと実務能力の両方を評価するため、京都市立芸術大学の教育内容が社会で通用していることがわかります。
文化功労者・人間国宝も輩出
さらに注目すべきは、国内最高峰の文化的称号を得た卒業生がいることです。
- 文化功労者
- 人間国宝(重要無形文化財保持者)
これらは、単に就職の成功にとどまらず、日本の文化や芸術の根幹を支える人材を育てている証拠です。
これだけの成果を持つ大学が、「恥ずかしい」などと誤解されるのは完全な損失です。事実を知れば、むしろ誇らしく感じるはずです。
現役芸大生が語る「やばいほど厳しいけど価値ある日々」
毎週の課題地獄?美術学部のリアルな声
京都市立芸術大学の美術学部では、「毎週が課題との戦い」と語る学生が多くいます。これは誇張ではなく、課題量の多さと質の高さが芸術大学としての実力を支えている証拠です。
実際に現役学生からは、以下のようなリアルな声が聞かれます。
- 「課題提出が週2回以上あって、徹夜も日常茶飯事」
- 「クロッキー課題で1日10枚以上描く週もある」
- 「講評会での指摘が厳しく、泣いたこともある」
これほど厳しい環境だからこそ、1年での画力向上や表現の変化が実感できるのです。京都市立芸術大学では「自由な発想」と「技術の土台」を両立させるために、基礎練習にも妥協しません。
また、作品制作にはデッサン・構成・配色・素材研究など多角的な視点が求められ、総合的な力が試されます。課題の量だけでなく質も高く、学生は常に自己表現の限界と向き合いながら制作に取り組んでいます。
この環境を「やばい」と感じるのは当然ですが、それと同時に確かな成長を感じられる貴重な経験でもあります。
音楽学部は個人レッスン漬けの修行の日々
音楽学部もまた、決して楽な日々ではありません。とくに個人レッスンの密度と質の高さが、他大学と一線を画しています。
週ごとのレッスンスケジュールは以下のように構成されています。
レッスン内容 | 頻度 | 特徴 |
専攻実技(例:ピアノ、声楽) | 週1回(60~90分) | 教員との1対1で高度な技術指導 |
ソルフェージュ | 週1回以上 | 初見・聴音・視唱の徹底訓練 |
アンサンブル授業 | 隔週〜毎週 | 他専攻と合同での実技実践 |
多くの学生が「先生のアドバイスがプロ目線で厳しいけれど的確」と語っています。つまり、実力主義の現場で通用する音楽家を育てるという強い覚悟が指導に現れているということです。
演奏に対する要求は高く、練習時間が1日6〜8時間になることも珍しくありません。本番前には教室を閉じる時間まで残って練習する学生も多く、「大学というより修行場」とさえ例えられるほどです。
精神的にも肉体的にも負荷は大きいですが、その分卒業時には確かな自信とスキルを身につけられる環境が整っています。
学費が「やばいほど」安いのに中身は超ハイレベル
私立美大の半額以下!圧倒的コスパ
京都市立芸術大学の大きな魅力の一つは、学費が圧倒的に安いことです。これは芸術大学としては非常に珍しい特徴です。
区分 | 京都市立芸術大学 | 私立美大平均(例:多摩美・武蔵美) |
入学金 | 約28万円 | 約30〜35万円 |
年間授業料 | 約53万円 | 約140〜160万円 |
初年度合計 | 約81万円 | 約180万円 |
このように、初年度納入金は私立の約半額〜1/3で済みます。にもかかわらず、教育の質は妥協されていません。
設備と教授陣の質が高すぎる理由
学費が安いにも関わらず、教授陣と設備がハイレベルである理由は、「公立」という運営体制にあります。京都市からの支援を受け、専門性の高い教員や実務経験者が多数在籍しています。
教授陣の一部は以下のような経歴を持っています。
- 国際芸術展やビエンナーレ出展経験あり
- プロオーケストラ出身の演奏家
- 国内外で作品を評価される現役作家
また、音響設備、映像機材、アトリエ空間なども非常に整っており、制作環境の自由度が高いことも魅力です。
「これだけ学べてこの価格?」と驚く人が多いのも無理はありません。
進学・就職の出口戦略も完備!芸術大学でも「安心できる未来」
専門職や大学院進学でキャリアに幅が出る
芸術系大学には「就職に弱い」というイメージがありますが、京都市立芸術大学に限っては当てはまりません。むしろ、専門職や教育職、大学院進学に強いという実績があります。
卒業後の主な進路は以下の通りです。
- 美術系:デザイン会社、出版社、広告代理店、文化施設(学芸員など)
- 音楽系:演奏家、教員、音響関連、放送局、大学院進学
とくに大学院進学率は30%以上と非常に高く、卒業後も創作や研究を継続する環境が整っています。
つまり、就職一本ではなく、多様なキャリアパスが選べる構造が京都市立芸術大学にはあります。
就職率や進学率から見る“将来性”
京都市立芸術大学の就職率は公表値として80%以上をキープしており、これは文系学部平均を超える水準です。
進路 | 割合(目安) |
一般企業就職 | 約45% |
専門職(学芸員・教員・演奏家) | 約25% |
大学院進学 | 約30% |
また、卒業生ネットワークが強く、OB・OGの紹介で就職先が見つかるケースもあるのが特徴です。芸術分野では作品や人柄も大切にされるため、大学での活動がそのままキャリアにつながることも珍しくありません。
【結論】京都市立芸術大学が「恥ずかしい」「やばい」は事実無根だった
京都市立芸術大学について「恥ずかしい」や「やばい」といった検索がされている背景には、誤解や偏見が存在します。
しかし実際は、
- 入試のレベルが高く、共通テスト+実技の難関選抜
- 課題やレッスンの密度が高く、学生の成長スピードが速い
- 学費が安いのに教育の質が非常に高い
- 卒業生が大手企業・文化機関・教育機関に多数就職
- 大学院進学率が高く、将来の選択肢が広い
という、実力と実績を兼ね備えた公立のトップ芸術大学です。
名前の誤解やネットの風評だけで判断するのではなく、データと事実をもとに判断すれば、「むしろすごい」大学であることは明らかです。
京都市立芸術大学を志望するか迷っている方にこそ、実態を知ってほしいと心から思います。検索ワードだけに左右されず、自分の目でしっかり判断してみてください。
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